先生の選び方

先生の選び方

どこも同じことが
書いてあって、
比べようがない。

塾も、家庭教師も、オンラインも。並べて見てみると、書いてある言葉がほとんど同じです。つまずきを特定します、ゴールから逆算します、お子さんに並走します。

どれも嘘ではないと思います。ただ、この言葉だけでは、何をしてもらえるのかが分かりません。ここでは、何を聞けば中身が見えるかを書きます。私を選んでいただくためではなく、判断していただくためのものです。

同じ言葉が、どこにでも並んでいます

先生を探し始めると、最初にぶつかるのがこれだと思います。

よく見かける言葉
A先生
つまずきを特定します ゴールから逆算します 一人ひとりに並走します
B先生
つまずきを特定します ゴールから逆算します 一人ひとりに並走します
C先生
つまずきを特定します ゴールから逆算します 一人ひとりに並走します

この3人が、同じことをしているとは限りません。この言葉には、決まった中身がないからです。

「並走」を、週に1度の面談だと考えている先生もいます。毎日のやり取りだと考えている先生もいます。宿題の進み具合を見ることだと考えている先生もいます。どれも間違いではありません。言葉の定義が決まっていないので、どう解釈しても嘘にならないのです。

「つまずきの特定」も同じです。答えられなかった問題を控えておくことなのか、なぜ答えられなかったかまで遡ることなのか。書いてある言葉は同じでも、中身は相当違います。

ですから、言葉を並べて比べても、判断はできません。比べるなら、その中身を聞くしかありません。

その前に、構造の違い

塾と家庭教師は、そもそも仕組みが違います

中身を聞く前に、どちらを選ぶかという段階があると思います。ここは好みではなく、仕組みの違いです。

塾
テキストが基準にあり、そこから大きくは外れません。テストや模試で統計は取りますし、どこが弱いかも出してくれます。ただ、その後を一人ひとり追いかけるところまでは、人数の関係で難しいことが多いです。処方箋は出るが、その後の経過は本人任せになります。
家庭教師(派遣・委託)
1対1で見てもらえます。指導報告書や学習計画は、会社の決まった様式に沿って作られます。様式が決まっている分、先生が変わっても最低限の形は保たれます。逆に、様式の外にあることは扱いにくくなります。
家庭教師(個人契約)
様式がないので、先生ごとに中身がまったく違います。オリジナルの教材を作る方、授業を録画して残す方、独自の進め方を持っている方。工夫している先生は本当に工夫しています。ただし、何をしてもらえるかは、聞いてみないと分かりません。
ラーニングPM
個人契約です。授業のほかに、何が届いて何が届かなかったかを1項目ずつ記録する工程があります。これが標準的なやり方でないことは承知しています。詳しくは料金のページに、かかっている時間まで含めて書きました。

ここで押さえておきたいのは、塾が雑だという話ではないということです。人数が多い分、一人ひとりの経過を追うのは物理的に難しい。それだけです。逆に、集団の中でこそ伸びるお子さんもいます。

聞くべきこと ①

「どうやって」を聞いてください

どの先生を選ぶにしても、確かめ方は同じだと思います。書いてある言葉に対して、どうやってそれをするのかを聞く。それだけです。

面談のとき/契約前に
言葉ではなく、やり方を聞く
並走とは、具体的に何を並走してくださるのですか?
つまずきの特定は、どこをどうやってされますか?
ゴールからの逆算は、具体的にどう算出されますか?

意地の悪い質問ではありません。やっている先生なら、普通に答えられる質問です。工程の順番でも、使っている表でも、独自の手順でも構いません。「根拠はこうで、こう管理しています」と説明が返ってくれば、そこはひとつクリアだと思います。

逆に、答えが「お子さんに合わせて臨機応変に」で終わってしまう場合は、もう一段だけ踏み込んで聞いてみてください。臨機応変にやるにしても、何を見て判断するのかは決まっているはずだからです。

見たいのは正解ではなく、具体性です。やり方は先生ごとに違って当然です。違っていても、説明できる形になっているかどうかを見てください。
始まってから、少し経ったら
うちの子を、どう見ているかを聞く
いま、うちの子をどう評価されていますか?
どこまで把握されていますか?

これは契約前には聞けません。何回か授業を受けてから聞く質問です。

そして、いちばん良いのは聞く前に先生のほうから伝わってくることだと思います。特に、ご家庭からは見えていない部分についてです。授業中に何を言っていたか、どこで止まったか、前と比べてどう変わったか。ご家庭は授業の中を見られないので、そこは先生からしか出てきません。

答えの中身より、答えられるかどうかを見てください。この質問は、先生が普段どこまで見ているかがそのまま出ます。
1か月ほど経ってから
前に言われたことの、その後を聞く
前に「ここが弱い」と言われた件、その後どうなりましたか?

これがいちばん大事だと思っています。

指摘するのは、実はそれほど難しくありません。答案を見れば、どこができていないかは分かります。難しいのは、指摘したあと、それがどうなったかを追い続けることです。

「あのときこう指摘して、こう手を入れて、いまはこうなっています」と経過で説明が返ってくるなら、その先生は追っています。「良くなってきていますよ」で終わってしまう場合は、確認はしているけれど記録には残っていないのかもしれません。

形は何でも構いません。レポートでも、ノートでも、メモでも。残っていて、後から取り出せるなら同じことです。私の場合はレポートという形にしているだけです。
能力の話ではありません

追い続けるのが難しいのは、量の問題です

3つ目の質問に答えられない先生がいたとして、それは能力が低いということではありません。物理的に無理だからです。

上手な先生ほど、その場で的確に判断しています。ここが弱い、だからここを補う、と処方を出す。そして次のときに口頭で確認して、大丈夫そうなら次へ進む。判断としては、まったく正しいと思います。

ただ、それを全部覚えていることはできません。1人につき毎回10個以上の項目が出て、それが週ごとに積み上がっていきます。生徒が複数いれば、その掛け算になります。記憶で追える量を、すぐに超えます。

その場の判断が正しいことと、
3か月後にそれを取り出せることは、別の能力です。

そして、追えていないと何が起きるか。合わなかったときに、何がずれていたのか分からなくなります。

半年やって伸びなかったとして、原因が説明されなければ「相性が合わなかった」で終わるしかありません。次の先生に引き継ぐこともできません。積み上げたはずのものが、ゼロに戻ります。

⚠ 経験則そのものは、否定されるべきものではありません。言葉にできていなくても、その先生が持っている財産です。どの子にどう合わせるかは、本来かなり個別的なもので、すべてを数字にできるとは私も思っていません。

問題は、経験則が正しいかどうかではなく、ご家庭からはそれが確かめられないことです。
差にならないもの

学歴と分かりやすさは、前提だと思っています

プロフィールに学歴や合格実績が並んでいることがあります。判断材料として見るのは自然なことですが、扱い方には注意が必要だと思っています。

それは、その先生が持っているものです。先生がその大学に入れたことと、お子さんがそこに入れることは、別の話です。自分ができたことを、そのまま人に移せるとは限りません。

「分かりやすく教えます」も同じです。これは差ではなく、前提だと思っています。分かりにくい授業をする人はそもそも選ばれません。書いてあってもなくても、そこは満たされている前提で探すことになります。

見たいのは、それ以外に何を提供できるか。
そしてそれを、説明できる形で持っているかどうか。

学歴も、分かりやすさも、あって困るものではありません。ただ、それだけでは選べないというだけの話です。

いい先生とは

「いい先生」は、一つに決まりません

ここまで聞き方を書いてきましたが、最後にいちばん大事なことを書きます。目的が違えば、良い先生は変わります。

何をしてほしいかで、合う先生が変わります
勉強する習慣をつけたい
見てくれる人がいること自体が効きます。頻度と、続けやすさが大事になります。
とにかく合格させたい
その学校の出題を知っていることが強く効きます。過去問の扱いに慣れた先生。
内部進学で内申を取りたい
学校の進度と提出物に合わせられること。範囲が決まっているので設計しやすい領域です。
自分で説明できるようにしたい
何が届いて何が届かなかったかを、都度確かめる工程が要ります。私がやっているのはここです。

どれが上ということはありません。ご家庭が何を求めているかによって、選ぶべき先生が変わるだけです。

そしてもう一つ。同じ目的でも、お子さんによって最短の道が違います。

説明を聞いて、そのまま実践して、ひねった問題も自分で考えて解ける子がいます。そういうお子さんに、私は説明をしません。確認しかしません。そのほうが速いからです。

一方で、説明を聞いても、どこがどう分かっていないのかを自覚できていないお子さんもいます。同じやり方をしても進みません。この場合は、遠回りに見える工程が要ります。時間はかかりますが、その子にとってはそちらが最短になります。

ですから、方式どうしを比べても答えは出ません。お子さんに対して何が速いかしかない、というのが私の考えです。

⚠ 相性もあります。私と合わないお子さんもいます。これはどの先生でも同じで、避けようがありません。だからこそ、契約前に一度見ていただく形にしています。
私の答え

同じ質問を、私にもしてください

ここまで挙げた質問を、私自身がどう答えるかを書いておきます。これで判断していただいて構いません。

3つの質問に、私はこう答えます
Q. つまずきの特定は、どこをどうやって?

授業を録音し、扱った内容を項目ごとに切り分けます。1回で10〜16項目になります。その1項目ごとに、私がどれだけ手を貸したかを3段階で付けます。理解度ではなく、手を貸した量を測っています。理解したかどうかは外から見えませんが、私が何を言ったかは記録に残るからです。

Q. 並走とは、具体的に何を?

届かなかった項目は、そのまま持ち越します。週の終わりに、まだ言えていないものだけが並んだ状態でお届けします。次の授業の冒頭で、時間を空けてから口頭で確認します。言えたら消え、言えなければ残ります。並走しているのは、この持ち越しのリストです。

Q. その後どうなったかを、説明できますか?

できます。いつ扱って、そのとき何段階だったか、いつ再確認して、そこでどうだったか。全部残っています。私の記憶ではなく、記録から答えます。だから3か月前のことでも同じ精度で答えられます。

Q. その判断基準は、信用できますか?

判断基準そのものをコラムで全文公開しています。どういう根拠でどの段階と判断しているかを読んでいただければ、私の判定が妥当かどうかを、ご家庭の側から確かめられます。間違っていたら直します。

これが優れているという主張ではありません。確かめられる形になっている、というだけです。そのぶん時間がかかっているので、お預かりできる人数も限られています。

他の先生に同じ質問をして、別の答えが返ってきたなら、それはそれで良いと思います。大事なのは、答えが返ってくることのほうです。

家でAIを使って勉強してきた内容が身についているかを、私がどう確かめているかは、「お子さんが勉強でAIを使うとき」のページにまとめています。

通わせてから

通わせてからのことは、本に書きました

このページには、先生を選ぶときと、始めて少したったときに聞くことを書きました。通わせ始めてから、続けるか、替えるか、やめるかを決めるまでに先生に何を聞けばいいかは、1冊の本にまとめています。

保護者の方に向けた本
その「ばっちりですね」は、何と比べて?
塾・家庭教師に通わせている中学生の親が、続ける・替える前に先生に聞くこと(高校受験)
Kindle版/2026年10月9日配信/236ページ

面談で「ばっちりですね」と言われたときに聞き返す一言、塾では面談をする教室長と教えている先生に聞くことを分けるやり方、続けるか替えるかやめるかを家族で決めるときに見ることを書いています。

Amazonで見る →

目次と、教える側に向けたもう1冊の本は、著書のページにまとめています。

道具

決めるときに使える道具

どれも無料で、名前やメールアドレスを入れずに使えます。入れた数字は、お使いの端末の中にだけ残ります。

小学4年生までの道具もふくめて、場面ごとに分けた一覧は「道具の一覧」にまとめています。

費用を比べる 月謝の実質計算機 月謝・入会金・講習費から、1年の総額と授業1時間あたりの金額を出します。3つまで並べて比べられます。 使ってみる → 面談の前に 面談で聞くことリスト 気になっていることにチェックを入れると、先生に聞く質問と、答えのどこを見ればよいかが並びます。 使ってみる → 志望校を考える 合格ライン計算機 通知表の数字と志望校の配点から、入試当日に必要な点数を出します。8都道府県に対応しています。 使ってみる → 入試までの時間 入試までに使える勉強時間 平日と休日に机に向かえる時間から、入試までの合計と、月ごとの時間を出します。 使ってみる → 模試が返ってきたら 模試の結果を同じ物差しで読む 何回かの偏差値を入れると、前回との差が、ふつうの揺れの範囲か、変わったと言えそうかを見られます。 使ってみる → 先の費用を見る 教育費の見通し 中学・高校・大学の公立と私立の予定から、大学卒業までの費用を、公表の平均で年ごとに積み上げます。 使ってみる → 定期テストの前に 定期テストの逆算プランナー テストの日程と教科ごとのやることから、今日からの予定をカレンダーに割り当てます。A4で印刷できます。 使ってみる → 覚えたことを残したいとき 見直しの日を、研究から決める テストの日と範囲を入れると、1回目の見直しをいつにするかを、間隔と記憶の研究から計算して予定表にします。 使ってみる → 家での過ごし方を見直すとき 生活と勉強を、全国学力調査と並べてみる 朝ごはん・寝る時刻・スマホ・勉強時間などの答えごとに、2026年の全国学力調査の平均正答率を並べます。 使ってみる → スマホの使い方を親子で決めるとき スマホ・タブレットの約束シート 使う時間・使い道・預ける時刻と場所、勉強にAIを使うときの設定と回数を選ぶと、親子で書き込めるA4の約束シートが1枚できます。 使ってみる → 習ったことを、1週間後も覚えていたいとき 1週間後の思い出しカード 今日習ったことを問いにして書くと、次の日と1週間後の日付が入ったカードになります。折ると答えが隠れる形で印刷できます。 使ってみる → 覚えたことを、自分の言葉で説明したいとき 「なぜ?」をたどって、自分で説明する 習ったことばを入れると、「何のため?」「なかったら?」と問いが1つずつ出ます。答えていくと、自分の説明ができあがります。 使ってみる → 受験に向けて、自分で決めておきたいとき 受験憲章メーカー 目指す学校、理由、毎日続けること、やらないこと。答えていくと、書いた言葉に合わせた絵が入った受験憲章ができます。 使ってみる →

まず、質問してみてください。

無料の面談で、ここに書いた質問をそのままぶつけていただいて構いません。体験授業とレポートまで、費用はかかりません。見ていただいたうえで、合わなければそう言ってください。