お子さんが勉強でAIを使うとき

LEARNING PM ── 家での勉強

お子さんが勉強でAIを使うとき

AIを使う日の、4つの段階

このページは、小学5年生から高校3年生のお子さんが勉強でAIを使うときに、ご家庭で決めておくと役に立つことをまとめたものです。AIを使う日の流れを4つの段階に分け、段階ごとに、研究で分かっていることと私の考えを書いています。AIの使い方のルールを決めるのは、ご家庭とお子さん本人です。私が確かめるのは、習った内容がお子さんに身についているかどうかです。

研究と授業から

AIで練習した出来と、あとに残る力は別のものです

トルコの高校生約1,000人が数学を練習した研究があります。答えをそのまま教えてくれるAIで練習した生徒は、練習中の点が、AIを使わなかった生徒より48%高くなりました。同じ生徒たちがAIなしでテストを受けると、点はAIを使わなかった生徒より17%低くなりました。ヒントで導くように作ったAIで練習した生徒は、テストの点がAIを使わなかった生徒とほぼ同じでした(Bastani ほか, 2025)。

練習中の点と、AIなしで受けたテストの点
AIを使わなかった生徒の点を100としたときの比べ
練習中の点AIなしで受けたテストの点
答えをそのまま教えてくれるAI
+48%
−17%
ヒントで導くように作ったAI
+127%
ほぼ同じ
AIを使わなかった生徒(100)
Bastani ほか, 2025

大人を対象にした研究でも、AIを使って問題を解いた人は、自分の点数を実際より高く見積もっていました(Fernandes ほか, 2026)。

授業でも同じことが起きています。社会や理科で、AIに要約してもらってきた生徒は、用語や大まかな流れは言えます。「なぜそうなったのか」「どうやってそうなるのか」と聞き方を変えると、説明できなくなります。要約を読んで満足し、答えを見て満足して、できたつもりになっているのだと考えています。

AIに要約してもらってきた生徒(社会・理科の授業で)
言える用語
大まかな流れ
聞き方を
変えると
説明できなくなるなぜそうなったのか
どうやってそうなるのか
AIを使う日の流れ

AIを使う日の4つの段階

1
聞く前 自分で一度解いてみる 自分で解いてみるか、教科書で調べる。どこで手が止まったかを一文で書く。 くわしく
2
やりとり 自分の言葉で言い直せたら終える 自分の言葉で言い直して、AIの答えとの違いを教科書やワークで確かめる。説明できたら終える。 「なぜ?」をたどって、自分で説明する
3
終えた直後 画面を閉じたまま、もう1問解く 画面を閉じたまま、もう1問解くか、要点を書き出す。 1週間後の思い出しカード
4
日を空けて 聞き方を変えて確かめる 聞き方を変えても、自分の言葉で説明できるかを確かめる。 見直しの日を、研究から決める
① 聞く前

聞く前に、自分で一度解いてみる

お子さんがAIに質問する前に、まず自分で問題を解いてみるか、教科書で調べます。そのうえで、どこまで進めて、どこで手が止まったかを一文で書きます。AIにはその一文を見せて、答えより先にヒントを出してもらいます。

数学や英語では、和訳、単語の意味、計算の答え合わせ、解き方を聞くといった、答えに直結する使い方が多く見られます。社会や理科では、「わかりやすく説明して」「要約して」という使い方が多く見られます。

教科ごとによく見られる使い方
教科
よく見られる使い方
足すとよいこと
数学・英語
和訳、単語の意味、計算の答え合わせ、解き方を聞く
どこで手が止まったかを一文で書いて見せ、答えより先にヒントを出してもらう
社会・理科
「わかりやすく説明して」「要約して」と頼む
なぜそこが要点なのか、AIなしで同じ要約を作り直すにはどうすればよいかまで聞く

教科書を貼って要約してもらうことは、使い方の一つとしてよいと考えています。要約を受け取ったら、なぜそこが要点なのか、AIなしで同じ要約を自分で作り直すにはどうすればよいかまで聞きます。要約には作り方の決まりがあります。その決まりが分かると、次は自分で要約できるようになります。

研究で分かっていること
  • 高校2年生に「どこでつまずいたかをはっきりさせてから質問する」方法を教えた研究では、漠然とした質問が減り、内容に踏み込んだ質問が増えました瀬尾, 2005
  • 教わる前に自分で答えを出してみると、覚えやすくなることも、多くの研究で確かめられていますBertsch ほか, 2007
まだ分かっていないこと
  • 子どもが自分でAIに「ヒントから出して」と頼んだ場合に、研究で使われたAIと同じ効果が出るかは、確かめられていません
② やりとり

自分の言葉で言い直せたら、やりとりを終える

AIの説明を読んで「わかった」と感じたら、教わった内容を、お子さんが自分の言葉で説明してみます。説明できたところで、そのやりとりを終えます。

説明の途中で詰まったら、「つまりこういうこと?」と自分の言葉で言い直して、AIに返します。言い直した内容とAIの答えのあいだに違いが出たら、その違いを教科書やワークで確かめます。AIの答えも、教科書やワークと照らし合わせるまでは、合っているかどうかが分かりません。

確かめたら、別の角度からも見てみます。反対の考え方はないか、問題の聞き方が変わったらどう答えるかを考えて、もう一度自分の言葉にします。この確かめ方を積み重ねている人ほど、AIを使っても理解が崩れにくいと感じています。

やりとりの進め方
1
教わった内容を、自分の言葉で説明してみる説明できたら、やりとりを終える詰まったら 2 へ
2
「つまりこういうこと?」と自分の言葉で言い直して、AIに返す
3
言い直した内容とAIの答えの違いを、教科書やワークで確かめる
4
別の角度から見る反対の考え方はないか、問題の聞き方が変わったらどう答えるか
↺
もう一度、自分の言葉で説明してみる(1 へ)

最近のAIは、聞いたこと以外の提案や説明も足してくれます。足された部分を読んだときも、その内容を自分の言葉で言い直せるかを確かめます。

研究で分かっていること
  • 答えや説明が目の前にあるときに感じる「わかった」は、あとで思い出せるかを高く見積もりやすいことが分かっていますKoriat & Bjork, 2005
  • 自分の言葉で説明する学び方には小学生から効果があります。「なぜそうなるのか」を問う形で特に効果が大きく、「わかった?」と確かめる形ではほとんど効果が見られませんでしたBisra ほか, 2018
まだ分かっていないこと
  • 時間や質問の回数に上限を決めること自体が学びにどう効くかは、確かめられていません
③ 終えた直後

終えたら、画面を閉じたままもう1問解く

やりとりを終えたら、画面を閉じたまま、同じ種類の問題をもう1問解くか、教わった要点を何も見ずに書き出します。書き出したあとで、教科書やワークと照らし合わせて、抜けていたところを確かめます。次の授業までの復習の回数とやり方は、お子さんに合わせてご家庭で決めてください。

研究で分かっていること
  • 読み返した人と、何も見ずに思い出した人を比べた実験があります。5分後のテストでは読み返した人の点が高く、1週間後のテストでは思い出した人の点が高くなりましたRoediger & Karpicke, 2006
  • 実際の教室で行われた研究をまとめた分析でも、何も見ずに思い出す練習には効果が出ていますYang ほか, 2021
読み返した人と、何も見ずに思い出した人
テストで思い出せた、文章の要点の割合(%)
読み返した人何も見ずに思い出した人
050100
81
75
54
68
42
56
5分後2日後1週間後
Roediger & Karpicke, 2006(実験1)
④ 日を空けて

日を空けて、聞き方を変えて確かめる

身についたかどうかは、日を空けてから、聞き方を変えても自分の言葉で説明できるかで確かめます。次の日に思い出す作業は、練習として役に立ちます。身についたかの判断は、1週間あけてから行います。

日を空けて確かめるまでの流れ
当日①〜③:自分で解いてからAIに聞き、終えたら画面を閉じてもう1問解く
次の日何も見ずに思い出す練習
1週間後聞き方を変えて、自分の言葉で説明できるかを確かめる身についたかの判断

私の授業は週1回で、前の授業で扱った内容を、次の授業の冒頭で聞き直しています。聞き直すときは、ワークの問題と聞き方を必ず変えます。同じ聞き方で聞くと、配った答えを覚えてきたのか、AIで準備してきたのか、内容を理解しているのかを見分けられないからです。入試では、ワークと同じ内容が形を変えて出ます。そのため、なぜその問題がワークに載っているのかを伝えたうえで、形を変えて聞いています。

聞き直しで言えた項目だけを完了にする仕組みは、SOLOGUE(ソローグ)のページにまとめています。

研究で分かっていること
  • 覚えたかどうかの判断は、学んだ直後よりも、時間をおいてからの方が正確になることが分かっていますRhodes & Tauber, 2011
  • 小学5年生の語彙の学習では、2回目の授業を1週間後にした方が、同じ日に2回行うより、5週間後まで多く覚えていましたCarpenter ほか, 2012
まだ分かっていないこと
  • 1週間という間隔が、お子さんにとって最も合っているかどうかは、確かめられていません
ご家庭のルール

ご家庭のルールを、確かめた結果で見直す

AIの使い方のルールは、スマホ・タブレットの約束シートで決められます。決めておくとよい項目は、使う場面、1回の勉強で聞く回数、使う時間帯、答えをすぐに出さない設定にするかどうか、使い終わったら端末を預ける場所です。

約束シートで決めておくとよい5つの項目
使う場面
1回の勉強で聞く回数
使う時間帯
答えをすぐに出さない設定にするか
使い終わったら端末を預ける場所

スマホやAIは、禁じるとかえって手放せなくなると考えています。ご家庭で決めたルールのとおりに使い、使い終わったら預ける形が、続けやすいと感じています。

授業の冒頭で確かめた結果は、毎週のレポートでご家庭にお伝えしています。約束シートを見直す日には、そのレポートを話し合う材料の一つにしてください。確かめた結果には、睡眠や単元の難しさなど、AIの使い方以外のことも影響します。お子さんの様子とレポートの内容が違うと感じたときは、知らせてください。

ルールを見直す流れ
1約束シートで、ルールを決める
2ルールのとおりに、AIで勉強する
3授業の冒頭で、聞き方を変えて確かめる
4確かめた結果が、毎週のレポートで届く
5見直す日に、レポートも材料にして話し合う
見直したルールで、また 1 から
研究で分かっていること
  • 大学生を対象にした研究では、AIを「使ってみよう」と勧めるだけでは成績は変わりませんでした。一歩ずつ確かめながら使う方法を案内すると、期末試験の点が上がりましたGallegos, 2026
まだ分かっていないこと
  • ご家庭のルールと、確かめた結果での見直しを組み合わせたときの効果は、まだ誰も確かめていません
小学5・6年生

小学5・6年生の場合

多くのAIサービスは、利用できる年齢を13歳以上としています(くわしくは下の「数字と規約」)。小学生がAIを使うときは、保護者の端末を一緒に使う形がよく見られます。保護者の端末で使うときは、保護者が先に、答えをすぐに出さない設定にしておく方法があります。スマホ、タブレット、パソコンのどれを使うかによっても、決めておくことは変わります。

小学2〜5年生を対象にした研究では、先に自分で長く考えさせる方法の効果が見られませんでした(Sinha & Kapur, 2021)。小学生のうちは、考える時間を短めにして、早めに教わる形が研究と合っています。

AIの答えが合っているかまで確かめて、初めてAIでの勉強になる。このことをお子さんが理解できるなら、年齢にかかわらず使ってよいと考えています。まだ理解が難しいうちは、教科書などで自分で調べることを先にできるようにして、AIはその補助として使います。AIの答えは、教科書やワークと照らして確かめるまで正しいとは限らないことも、あわせて伝えてください。

AIを使い始める目安
AIの答えが合っているかまで確かめて、初めてAIでの勉強になる。
このことを、お子さんが理解できるか
理解できる年齢にかかわらず、使ってよい
まだ理解が難しい教科書などで自分で調べることを先にできるようにして、AIはその補助として使う
いまの状態

いま確かめている途中のこと

1週間という間隔が、お子さんにとって最も合っているかどうかは、研究ではまだ分かっていません。ご家庭のルールを、確かめた結果で見直す流れがどれくらい効くかも、まだ確かめられていません。どちらも、私が毎週の授業の記録で見ています。

お子さんの様子とこのページの内容が違うと感じたら、知らせてください。
数字と規約

数字と規約(2026年10月時点)

インターネットで生成AIを使っている割合
全国の10〜17歳(こども家庭庁, 2025年11〜12月調査)
小学生(10歳以上)
8.6%
中学生
30.8%
高校生
46.2%
  • 全国の10〜17歳から無作為に選んだ国の調査では、インターネットで生成AIを使っている割合は、小学生(10歳以上)で8.6%、中学生で30.8%、高校生で46.2%でした(こども家庭庁, 2025年11〜12月調査)。
  • 東京都の公立学校の調査では、家で勉強するときに生成AIを使ったことがある割合は、中学生で51.7%、高校生で61.3%でした(東京都教育委員会, 2025年10〜12月調査。東京都の公立学校の数字です)。
  • 生成AIを使うときの注意点を「誰にも教わらなかった」と答えた中学生は29.8%でした(総務省, 協力校での調査)。
  • 文部科学省の学校向けの指針は「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0, 2024年12月)」です。2026年10月時点で、改訂に向けた議論が行われています。
  • 多くのAIサービスは、利用できる年齢を13歳以上とし、18歳未満は保護者の同意を前提にしています。18歳以上を条件にするサービスもあります(2026年10月16日確認)。

この欄は毎年5月に見直します。

出典

出典

  • Bastani, H. ほか (2025). Generative AI without guardrails can harm learning: Evidence from high school mathematics. PNAS, 122(26).
  • Fernandes ほか (2026). Computers in Human Behavior(AIを使った問題解決と自己評価).
  • 瀬尾美紀子 (2005). 数学の問題解決における質問生成と援助要請の促進. 教育心理学研究, 53(4).
  • Bertsch, S. ほか (2007). The generation effect: A meta-analytic review. Memory & Cognition.
  • Koriat, A., & Bjork, R. A. (2005). Illusions of competence in monitoring one’s knowledge during study. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition.
  • Bisra, K. ほか (2018). Inducing self-explanation: A meta-analysis. Educational Psychology Review.
  • Roediger, H. L., & Karpicke, J. D. (2006). Test-enhanced learning. Psychological Science.
  • Yang, C. ほか (2021). Testing (quizzing) boosts classroom learning: A systematic and meta-analytic review. Psychological Bulletin.
  • Rhodes, M. G., & Tauber, S. K. (2011). The influence of delaying judgments of learning on metacognitive accuracy: A meta-analytic review. Psychological Bulletin.
  • Carpenter, S. K. ほか (2012). Using spacing to enhance diverse forms of learning. Educational Psychology Review.
  • Gallegos (2026). IZA Discussion Paper No. 18513.
  • Sinha, T., & Kapur, M. (2021). When problem solving followed by instruction works: Evidence for productive failure. Review of Educational Research.
  • こども家庭庁 (2026). 令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査.
  • 東京都教育委員会 (2026). 報道発表(2026年4月23日).
  • 総務省 (2026). ILAS 2025年度.
  • 文部科学省 (2024). 初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0).
  • 出典はいずれも2026年10月に確認しました。

体験授業の日から、記録が始まります

体験授業の日にも、その日に扱った項目と、先生がどこまで話したかの記録をお届けします。契約の前に、実物で確かめてください。