時間を決めていた家の4歳は、
1年後も1日1時間を
守れていることが多くありました。
アプリやスマホ・タブレットは、いつから触れさせるか。年齢で区切る前に、「何を」「誰と」「どうやめるか」に分けて、研究と国の調査を並べました。2026年10月までに出たものまで見ています。
年中から小学校4年生くらいのお子さんがいるご家庭に向けて書いています。
- 時間や番組を決めていた家の子は、1年後も1日1時間以内を守れていることが多くありました(カナダの4歳)
- タッチして学ぶアプリは、何もしないよりは効きました。紙や実物と比べると、差はありませんでした
- 子どもが画面を見る時間は、親が画面を見る時間とつながっていました
- 私の考えは、「早く与えるか、触らせないか」より、「何を、誰と、どうやめるか」です。まず、おうちの方の約束を1つ決めるところから始めます
0〜9歳の4人に3人が、ネットを使っている
こども家庭庁が2025年の11〜12月に行った調査では、0〜9歳の子の75.2%がインターネットを使っていました。2歳で6割を超え、5歳で約8割、小学生(6〜9歳)では91.0%です。
使っている子の平日1日の平均は約2時間18分で、使い道は動画が93.4%でした。この時間に、テレビ放送の時間は入っていません。
時間の目安は、WHO(2019年)が「2〜4歳は1日1時間まで、少ないほどよい」、日本小児科医会(2004年)が「2歳までのテレビ・ビデオは控える。すべてのメディアで1日2時間までを目安に」です。米国小児科学会は2026年に方針を改め、時間の上限より、中身・場面・家族での話し合いを重く見る形にしました。5歳から先の時間の目安は、日本でも米国でも、新しい数字は出ていません。
「何を」:中身によって、結果の向きが変わる
0〜5歳の子がタッチ画面で学んだ36の研究をまとめると、アプリで学んだ子は、ふだんどおり過ごした子より、テストの点が高くなりました(効果量0.77。0.2で小さい、0.8で大きいが目安)。紙で学んだ子とは0.11、実物で学んだ子とは0.10で、差はありませんでした。
12歳以下の42の研究をまとめた分析では、教育的な番組は言葉の力とプラスの、背景でついているテレビはマイナスのつながりでした。使い始めた年齢が遅い子ほど、言葉の力が高い傾向もありました(4つの研究だけ)。どれも小さなつながりです。
アプリの作りも見ておきます。3〜5歳の子がよく使っていたアプリ133本では、約8割に、もっと遊ばせる・買わせるための作り(キャラクターが引きとめる、閉じにくい、など)がありました。5歳以下向けのアプリ135本では95%に広告があり、「教育」とうたうアプリでも同じくらいでした。
| 何を(中身) | 研究の結果 |
|---|---|
| タッチして学ぶアプリ | 何もしないよりは効く。紙・実物とは差なし |
| 教育的な番組 | 言葉の力とプラスのつながり |
| 背景でついているテレビ | 言葉の力とマイナスのつながり |
| 幼児がよく使うアプリ | 約8割に引きとめる・買わせる作り。幼児向けアプリの95%に広告 |
「誰と」:一緒に見ると言葉の力はプラス。ただし時間は延びやすい
さきほどの12歳以下の分析では、大人と一緒に見ることは、言葉の力とプラスのつながりがありました。6歳未満の100の研究をまとめた2024年の分析でも、大人と一緒に使うことはプラスでした。
一方、カナダの親315人の研究では、好きだから一緒に見る・一緒に笑う、という家ほど、4歳半で1日1時間以内を守りにくくなっていました(オッズ比0.20。1より小さいと起こりにくい)。著者は、子どもが「画面の時間を親が認めている」と受け取るのかもしれない、と考えています。
米国小児科学会は、家族で1台のタブレットを共有して一緒に見ること、子ども専用のタブレットは遅らせることをすすめています。
「どうやめるか」:決めていた家の子は、1年後も守れていた
同じカナダの研究で、1日1時間以内を守れていた子は、3歳半で14%、4歳半で20%でした。見てよい時間帯や量、番組を決めていた家の子は、1年後に守れていることが多くありました(オッズ比4.07。1より大きいと起こりやすい)。3歳半で1時間を超えていた子は、4歳半でもほとんど守れていませんでした。どちらも親の答えで、数字の幅は広めです。
日本でも、ネットを使う0〜9歳の子の保護者の約8割(79.5%)が、家でルールを決めていました。
やめ方の研究もあります。
- タブレットのアプリで3分遊んだあと、次に移るときにかんしゃくが出たのは22〜25%。紙の絵本のあとは0%でした(平均2歳半)
- 決めた本数で止まるなど、機器の側が終わりを知らせると、切りかえがうまくいきました
- 次の動画が自動で流れる作りだと、見る時間が長くなり、子どもが自分から「おしまい」と言うことが減りました
- 気持ちが崩れたときに機器でなだめることが多い家の3〜5歳は、半年後に、気持ちの調整がうまくいかないことが増えていました
10歳以上の研究では、「禁止か、許可か」より「制限の仕方」で結果が分かれました。命令や罰で制限されていると感じる子ほど、ゲームの使い方に問題が出やすく、理由を話し、子どもの考えを聞いて制限する家では、家族のもめごとが少なくなっていました。
「親の生活」:子どもの画面の時間は、親の画面の時間とつながっていた
先に、親が画面に手をのばすのには理由がある、という研究を置きます。1〜5歳の子の家族を調べた研究では、親が子どもに画面をつけるのは、多くが自分のことをする時間がほしいときでした。親はそれを適切だと思いつつ、ためらいも感じていました。米国小児科学会も、長い労働時間や預け先の少なさなどがあり、親だけで背負えるものではない、と書いています。
そのうえで、米国の親1,550人を調べた2013年の研究では、子どもがテレビを見る時間は、親がテレビを見る時間とつながっていました。子ども部屋のテレビや時間のルール、一緒に見ることより、強いつながりです。テレビだけの、一時点の調査です。
1〜5歳の子がいる米国の170家族の研究では、親の機器で子どもとのやりとりが1日に3回以上中断される家が、48%ありました。母親の中断が多いほど、子どものかんしゃくなどが多くなっていました。ただ、向きは分かりません。扱いにくい子の親が、ストレスから機器に手をのばす流れも考えられています。
米国小児科学会は、家族のメディア計画を親も含めて作ること、食事と寝る前は親もスマホを置くことをすすめています。子どもは見たことをまねる、とも書いています。
消すと怒る子、何時間もゲームをする中学生
年長の子の親から聞いた話です。ずっとゲーム機で遊んでいる子がいる。動画ばかり見ていて、消すと逆上する子もいるらしい、という話でした。
私が見ている中学生にも、オンラインのゲームを何時間もやっていて、勉強は数分、という子がいます。親御さんも困っています。
早くから触っていた子と、触っていなかった子の違いは、私には分かりません。早くから触っているから賢い、そうでない、という違いは見えていません。ただ、禁止させていたら反動でおかしくなった、という話は聞いたことがあります。
※私が見ているのは小学5年生からの生徒です。ここは私個人の経験によるものです。
データと、私の見聞きを照らし合わせる
○一致すること
- ガジェットを使いこなすことは必須になりつつある、という点:18か国の15歳を調べた分析では、決まって機器を使えるようになったのが13歳より後の子と、まったく使ったことがない子は、デジタルの文章を読む力の点が低くなっていました(15歳がふり返って答えた調査)
- 調べものは、いきなりAIより図鑑や検索から、という点:15歳でも、文章の中の事実と意見を確実に見分けられる子は、OECDの平均で9%でした。学校で見分け方を教わった生徒が多い国ほど、見分けられる生徒が多くなっていました
- 禁止し続けると反動が出そう、という点:10歳以上の研究では、命令や罰での制限は問題とつながり、理由を話して一緒に決める制限は、よい結果とつながっていました
- 子どもは親のまねをする、という点:子どもの画面の時間は、親の画面の時間とつながっていました
△ずれること
- 早く始めるほど有利、とは言えません。同じ15歳の分析で、0〜3歳で始めた子と4〜6歳で始めた子には、差がありませんでした。12歳以下の分析では、使い始めが遅い子ほど、言葉の力が高い傾向がありました
- 「早く触らせておけば、後でのめり込まない」を支える研究は、見つかりませんでした。3歳半で1日1時間を超えていた子は、4歳半でも超えていました
- 「どれに食いつくか」には、アプリの作りが混ざります。強い興味は画面がなくても早くから出ていて、幼い子のおよそ3人に1人に、乗り物などへのとても強い興味がありました
?確かめられないこと
- 年中から小学4年生のころに早く触らせた子と、触らせなかった子を、中学・高校まで追って比べた研究は、見つかりませんでした
- 画面で食いついたものが、長く続く興味や得意になるかを追った研究も、見つかりませんでした
- 親が自分の約束を決めて守ると、子どもの使い方が変わるかを確かめた実験も、見つかりませんでした
- 「禁止の反動」の研究は、ほとんどが10歳以上です
それでも私は、まず親の約束を決めてから、早めに触れさせるのがいいと考えています
内容にもよりますが、私は、早めに触れさせておくのがいい寄りです。ただし、正解は分かりません。
理由は3つあります。
- これから先、ガジェットを一定以上使いこなすことは、必須になりつつあります
- 禁止し続けて避けていると、いざハマったときに、のめり込みそうです。受験の時期にハマると最悪です
- 子どもが何が好きで、何が嫌いかを調べられます。タブレットやスマホを嫌がっていじらない、という話は聞いたことがありません。コンテンツが無限にあるので、どれに食いつくかを調べるのに向いています
「内容による」と書いたのは、こういうことです。
調べものは、気をつけたほうがいいと思っています。最初にインパクトのあるものを知ってしまうと、もう戻れません。不便とは言いませんが、図鑑、せめてインターネットの検索から。いきなりAIは、やめたほうがいいと考えています。そのファクトチェックをやらせたり、やり方・使い方を教えたりしないといけないからです。結局、図鑑に戻ってきます。
写真や動画を撮るのは、わざわざアナログのカメラを持ってくる必要はないと思っています。作るものも、便利なものを渡していいと思います。ただ、キャンプと同じで、その不便さを楽しめるかどうかです。勉強のものは、「紙とタブレット、どう使い分けるか」に書いたとおり、何をデジタルに任せて、何を紙に任せるかの判断が要ります。
「好きなものだったら、どんどんやらせてOK。それも個性だから」という空気が、今の時代にはある気がします。管理すること自体が間違い、という空気です。親が育児を放棄しているわけではありません。ただ、見守ることと、任せきりにすることは違うと思っています。
だから、まず親自身の約束を決めることです。親ができていないのに子どもにやらせるのは、絶対に無理だと思っています。子どもは親のまねをします。だから、約束は家族みんなのものにします。
そのうえで、時間もそうですが、何をスマホやタブレットに任せるか。それを使わせたら、その代償になるものを、何で補えるか。そこまで考えたいと思っています。
お子さんの様子と、ここに並べたデータが違うと感じたら、知らせてもらえるとありがたいです。
親の約束を1つ、子どもの約束を1つ
家で、今日からできること3つ
1. おうちの方の約束を、先に1つ決める
たとえば、食事のときは親もスマホを置く。子どもと話すときは画面を置く。寝る部屋に持ちこまない。守れそうなものを1つだけにします。
2. 子どもの約束を1つ、「何を・誰と・どうやめるか」から選ぶ
たとえば、動画は親が選んだ中から見る。次の動画が自動で始まる設定を切る。決めた本数で終わる。タブレットは家族で1台を使う。これも1つだけです。
3. その時間で、代わりになくなるものを1行書く
外で遊ぶ時間、親子で話す時間、寝る前の時間など、画面の時間に押しのけられるものがあります。何がなくなるかと、何で補うかを書いておきます。
もう少し細かく、使う時間や使い道、預ける時刻と場所まで決めたいときは、約束シートも使えます。「おうちの方の約束」の欄もあります。
- 時間や番組を決めていた家の子は、1年後も1日1時間以内を守れていることが多かった。3歳半で超えていた子は、4歳半でも超えていました。
- タッチして学ぶアプリは、何もしないよりは効いた。紙や実物と比べると、差はありませんでした。
- 一緒に見ると、言葉の力はプラス。ただし、1日1時間は守りにくくなっていました。
- 子どもの画面の時間は、親の画面の時間とつながっていた。どちらが先かは分からず、親だけで背負えるものでもありません。
- 私は、まずおうちの方の約束を1つ、次に子どもの約束を1つ決めることをすすめています。
小学5年生から先のこと
小学5年生から高校3年生までは、ラーニングPM で見ています。ここで書いているのは、その手前の時間の話です。中学3年生まで見てきたからこそ、もっと前に何があったのかが気になっています。
- Bleakley, A., Jordan, A. B., & Hennessy, M. (2013). The relationship between parents’ and children’s television viewing. Pediatrics, 132(2), e364
- Bradt, L., Grosemans, E., De Cock, R., Dupont, B., Vansteenkiste, M., & Soenens, B. (2023). Does parents’ perceived style of setting limits to gaming matter? Journal of Adolescence
- DeLoache, J. S., Simcock, G., & Macari, S. (2007). Planes, trains, automobiles—and tea sets: Extremely intense interests in very young children. Developmental Psychology, 43(6), 1579–1586
- Fitzpatrick, C., Cristini, E., Bernard, J. Y., & Garon-Carrier, G. (2023). Meeting preschool screen time recommendations: Which parental strategies matter? Frontiers in Psychology, 14
- Hiniker, A., Suh, H., Cao, S., & Kientz, J. A. (2016). Screen time tantrums: How families manage screen media experiences for toddlers and preschoolers. CHI 2016, 648–660
- Hiniker, A., Heung, S. S., Hong, S., & Kientz, J. A. (2018). Coco’s Videos: An empirical investigation of video-player design features and children’s media use. CHI 2018
- Hu, J., & Hu, J. (2024). The influence of age at first regular digital device access on digital reading performance. Humanities and Social Sciences Communications, 11, 799
- Madigan, S., McArthur, B. A., Anhorn, C., Eirich, R., & Christakis, D. A. (2020). Associations between screen use and child language skills. JAMA Pediatrics, 174(7), 665–675
- Mallawaarachchi, S., ほか (2024). Early childhood screen use contexts and cognitive and psychosocial outcomes. JAMA Pediatrics, 178(10)
- McDaniel, B. T., & Radesky, J. S. (2018). Technoference: Parent distraction with technology and associations with child behavior problems. Child Development, 89(1), 100–109
- Meyer, M., Adkins, V., Yuan, N., Weeks, H. M., Chang, Y.-J., & Radesky, J. (2019). Advertising in young children’s apps. Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics, 40(1), 32–39
- Munzer, T. G., Miller, A. L., Wang, Y., Kaciroti, N., & Radesky, J. (2021). Tablets, toddlers, and tantrums: The immediate effects of tablet device play. Acta Paediatrica, 110(1), 255–256
- OECD (2021). 21st-Century Readers: Developing Literacy Skills in a Digital World. OECD Publishing
- Radesky, J., Hiniker, A., McLaren, C., ほか (2022). Prevalence and characteristics of manipulative design in mobile applications used by children. JAMA Network Open, 5(6), e2217641
- Radesky, J. S., Kaciroti, N., Weeks, H. M., Schaller, A., & Miller, A. L. (2023). Longitudinal association between use of mobile devices for calming and emotional reactivity and executive functioning in children aged 3 to 5 years. JAMA Pediatrics
- Valkenburg, P. M., Piotrowski, J. T., Hermanns, J., & de Leeuw, R. (2013). Developing and validating the Perceived Parental Media Mediation Scale. Human Communication Research, 39(4), 445–469
- Xie, H., Peng, J., Qin, M., Huang, X., Tian, F., & Zhou, Z. (2018). Can touchscreen devices be used to facilitate young children’s learning? A meta-analysis of touchscreen learning effect. Frontiers in Psychology, 9, 2580
- American Academy of Pediatrics (2026). Digital Ecosystems, Children, and Adolescents: Policy Statement. Pediatrics, 157(2), e2025075320
- American Academy of Pediatrics (2026年6月3日). Helping Kids Thrive in a Digital World: AAP Policy Explained. HealthyChildren.org
- American Academy of Pediatrics Center of Excellence on Social Media and Youth Mental Health (2024). The 5 Cs of Media Use
- World Health Organization (2019年4月24日). To grow up healthy, children need to sit less and play more
- 日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会(2004). 「子どもとメディア」の問題に対する提言
- こども家庭庁(2026). 令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要). https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9a55b57d-cd9d-4cf6-8ed4-3da8efa12d63/67f41585/20260327_policies_youth-kankyou_internet_research_results-etc_21.pdf
- 「私が見てきた生徒の話」「私の考え」は、私個人の経験によるものです
