定期テストは取れるのに、模試になると点が取れない。

学習のつまずき

定期テストは取れるのに、
模試になると点が取れない。

真面目にやっているのに、模試の結果だけがどうしても伸びない。学年が上がるほど差が開いていく。原因は3つに分けられます。そして、そのうちどれなのかで、やるべきことがまったく変わります。

この記事が対象にしているお子さん
  • 定期テストでは、きちんと点が取れている
  • 試験範囲が出たら、ワークは最後まで終わらせる
  • ノートも取っているし、授業も聞いている
  • それなのに、模試になると点が取れない

逆に、定期テストの時点で手が動いていないお子さんは、この記事の対象ではありません。その場合は原因も対処も別のものになります。

この症状は、中学1年のうちはあまり目立ちません。学年が上がるほど、はっきりしてきます。中学3年になって、模試の結果を見て初めて驚いた、というご相談は少なくありません。

よく見る点差(5教科合計)
定期テスト
300 点前後
模試
100 点に届かない

問題の難易度が違うので、点数がそのまま比べられるわけではありません。ただ、ここまで開くと難易度だけでは説明がつきません。同じ子が、片方では準備できて、もう片方では準備できていないということが起きています。

先に結論から
真面目さが足りないわけではありません

まず、いちばん誤解されやすいところから書きます。この状態は、やる気や真面目さの問題ではありません。むしろ逆で、定期テストで点が取れている以上、準備する力は確実に持っています。

準備する力はある。ただし、準備する場所が用意されているときに限る。

定期テストには「試験範囲」があります。どこからどこまでやればいいかが、紙で配られる。この状態なら、真面目な子ほど強い。範囲を隅々まで調べて、ワークを全部やって、確実に仕上げてきます。

模試や入試には、それがありません。範囲は事実上これまでの全部で、どこが出るかも分からない。枠が用意されていない場所で、自分で枠を作るところから始めなければならない。ここで手が止まります。

つまり、足りないのは努力ではなく、枠がないところで自分の現在地を決める手順のほうです。

原因は3つに分けられます
同じ「模試ができない」でも、中身が違う

結果は同じでも、原因は同じではありません。私が見てきた範囲では、次の3つに分かれます。複数が重なっていることもあります。

1
範囲が区切られていれば解ける

解き方は身についているのに、「どの単元の問題か」が示されていないと手が出ない状態です。ワークは単元ごとに並んでいるので、解いている間は何を使うかを考える必要がありません。模試では、そこから自分で決めることになります。

見分け方:模試で間違えた問題を、単元名を伝えたうえでもう一度解かせてみてください。それで解けるなら、知識ではなく取り出し方の問題です。
2
形式に慣れていないだけ

模試や入試には独特の出題形式があります。会話文、資料の読み取り、長い前置き。初めて見る問題に見えますが、実際には聞かれている内容が同じで、切り口だけが違うものがかなりの割合を占めます。中身を知らないのではなく、その入口から入ったことがないだけ、という状態です。

見分け方:問題文の前置きを取り払い、聞かれていることだけを口頭で伝えてみてください。それで解けるなら、形式の問題です。
3
過去の抜けを、そのままにして先へ進んでいる

いちばん多いのがこれです。定期テストはその範囲だけで完結するので、前の単元が抜けていても点は取れてしまいます。ところが模試は全範囲から出ます。これまで見送ってきた分が、まとめて表に出ることになります。学年が上がるほど差が開くのは、このためです。

見分け方:1学年前の単元から数問選んで解かせてみてください。答えが合っているかではなく、なぜそうなるかを自分の言葉で説明できるかを見ます。

3つ目が主な原因であることが多い、というところまでは、たいていの塾や参考書にも書いてあります。問題はその先です。

ここからが本題です
「復習しよう」で解決しない理由

過去の抜けが原因なら、戻って復習すればいい。理屈はその通りです。ところが、実際にそう伝えても結果が変わらないことがよくあります。

本人はやっています。時間も使っています。それでも次の模試で同じところを落とす。やった気になって終わっているという状態です。

原因は、戻ったあとに何を見ているかにあります。

効かない復習
合っていたか/覚えていたか

丸かバツか。覚えているか忘れたか。ここだけを見ています。答えを見て「あ、そうだった」で終わるので、次に形を変えて出されるとまた落とします。本人としては、確かに復習しています。

効く復習
なぜそうなるか/なぜそれを選んだか

解き方を選んだ理由まで戻ります。ここが言葉にできるようになると、問題の形が変わっても対応できます。逆に言えば、説明できない状態のものは、まだ終わっていません。

ここが難しいのは、後者ができない子ほど、自分では前者を「ちゃんと復習した」と認識している点です。本人に悪気はありません。何を見ればいいかを教わっていないだけです。

そして、この状態の子に「前に戻って復習しなさい」とだけ伝えると、戻った先でまた丸バツを確認して終わります。戻れと言うだけでは足りず、戻ってから何を見るのかを一緒に決める必要があります。

実際にあった例
部活で時間がなく、抜けが溜まっていた生徒

実際に指導した生徒の例です。ご本人が特定されないよう、学年や科目などは伏せています。

相談を受けたときの状態
定期テスト5教科で300点前後。範囲が出れば、きちんと準備できる
模試100点に届かない
生活部活が中心。平日に机に向かう習慣がなかった
主な原因過去の抜けの蓄積。加えて、学習時間そのものが足りていない

この子の場合、時間が足りないことがはっきりしていました。ですから、量を増やす方向の手当ては最初から選択肢に入りません。限られた時間で、抜けているところだけを潰す形にする必要がありました。

やったのは、この3つだけです
限られた時間で、抜けを減らすためにしたこと
  • 「終わった」の判定を、本人に渡さなかった。やり終えたと申告があっても、そこで完了にはしません。こちらが確認して、説明できていなければもう一度戻します。自己判定にすると、前述の「丸バツを見て終わり」に戻ってしまうためです。
  • 勉強時間を決めなかった。「2時間やった」は、本人の申告だけで成立してしまいます。そうではなく、決めた項目が通ったかどうかだけを基準にしました。通れば終わり、通らなければ残る。時間ではなく、状態で管理します。
  • やることを増やさなかった。あれもこれもと積むと、手つかずの項目が増えていきます。増えた分だけ、どれから手をつけるかで迷う時間が生まれます。範囲を絞ることを優先しました。

やるべきことは、目に見える形で一覧にしました。終わったものは動かし、こちらの確認で通らなかったものは元に戻す。本人にとっては、自分が今どこにいるかが一目で分かる状態になります。

余談ですが、当時の私はこのやり方に名前があることを知りませんでした。あとからプロジェクトマネジメントを学んだときに、これは「かんばん」と呼ばれる進め方に近いものだったと気づいた、という順序です。今はその整理を踏まえて、別の生徒でも試している最中です。

結果

点数が何点上がった、という話ではありません。起きたのは、もう少し分かりやすい変化でした。

模試の点数と、定期テストの点数が、同じくらいになりました。

過去の単元から出題されても答えられるようになり、「定期テストは取れるのに模試だけ取れない」という症状そのものがなくなったということです。片方でしか準備できない状態が、両方で準備できる状態に変わりました。

ご家庭で試す場合の注意
一覧にするだけでは、抜けは減りません

ここは正直に書いておきます。上のやり方を読んで、ご家庭で同じように「やることリスト」を作っても、多くの場合うまくいきません。

抜けが減ったのは、一覧にしたからではないからです。終わったと申告されたものを毎回確認して、通らなければ差し戻していたからです。この確認をやめた瞬間、リストは「終わったことにしたもの」が並ぶだけの表になります。

判定を本人に任せると、この方法は機能しません。そもそも自分の理解度を正確に判定できるなら、最初からこの症状は起きていないからです。記録をつけること自体が負担になり、続かなくなるケースも多く見てきました。

ご家庭でされる場合は、リストを渡すより、1問でいいので「なぜそうなるの」と聞いてみるほうが、はるかに実態が分かります。5秒ほど待って、まとまった説明が返ってこなければ、そこはまだ終わっていません。

逆に言えば、この確認を誰かが引き受けさえすれば、方法自体は特別なものではありません。私の仕事は、その確認を代わりに持つことだと考えています。

まとめ
切り分けてから、手を打つ

定期テストは取れるのに模試が取れない。この状態を見たときに、まず確認したいのは次の3つです。

1
単元名を伝えれば解けるか

解けるなら、知識ではなく取り出し方の問題。どこを見て解法を選ぶかを決めるところから手を打ちます。

2
前置きを外せば解けるか

解けるなら、形式に慣れていないだけ。同じ形式の問題に触れる回数を増やせば、比較的短期間で変わります。

3
1学年前の単元を、説明できるか

説明できないなら、過去の抜けが原因。ここがいちばん時間がかかりますが、放置すると学年が上がるほど広がります。早いほうが、戻る量が少なくて済みます。

いずれの場合も、量を増やす前に、どこが抜けているかを特定するほうが先です。時間が限られている子ほど、そこを飛ばすと間に合わなくなります。

どこで抜けているのかを、一緒に特定します

3つのうちどれなのかは、実際に解いてもらうと短時間で分かります。まずは無料相談で、今の状態を確認しませんか。指導をお受けするかどうかは、そのあとで決めていただいて構いません。

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