なぜ、学習に「PM」なのか

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なぜ、学習に
「PM」なのか

PM——プロジェクトマネジメント。そう聞くと、工程表でびっしり管理される、ガチガチで窮屈なもの、という印象を持たれるかもしれません。子どもの勉強に、それを持ち込む? と身構えられることもあります。でも、私が名前に込めたのは、その真逆に近いものです。

Learning PM / 竹内 勇人

先に、いちばん誤解されやすいところから書きます。PMと聞くと、多くの人が思い浮かべるのは「計画どおりに、きっちり管理して、予定から外れないようにすること」でしょう。ビルの建設や製品の開発のような、大きくて硬い仕事のイメージ。それを中学生の勉強に当てはめるなんて、息が詰まりそうに聞こえるかもしれません。

実は私も、はじめはそういうものだと思っていました。ところが学んでいくうちに、自分が本当に惹かれているのは、その”管理”の部分ではないと気づいたんです。たった一点だけ、これは指導に効く、と思ったところがありました。

私が惹かれたのは、たった一点だけ

それは、記録して、あとから遡れるということです。

プロジェクトの世界では、正確な記録がすべての土台になります。何をして、どこで詰まり、何を判断したか。それが残っているからこそ、うまくいかなかったときに、勘で「たぶんこの辺だろう」と当てるのではなく、記録を辿って、崩れた場所まで正確に戻れる。原因の一歩手前まで遡って、そこから直せる。

これは、私が家庭教師でずっと感覚に頼っていた部分そのものでした。この子はこう教えれば伸びる、というのは経験で分かる。でも「なぜ伸びたのか」「どこでつまずいていたのか」を辿れる形では残していなかった。だからうまくいっても再現できないし、つまずいても原因を勘で探るしかない。——PMのその一点は、まさにそこを埋めるものでした。管理のためではなく、原因まで戻れるようにするための記録。惹かれたのは、そこだけと言ってもいいくらいです。

私が借りたかったのは、子どもを縛る道具ではなく、崩れた場所まで戻るための地図のほうでした。
受験を、その地図の上に置いてみる

この見方で受験をながめると、風景が少し変わります。志望校というゴールがあり、受験日という期限があり、限られた時間と体力という制約のなかで進んでいく。構造だけ取り出せば、受験もまたプロジェクトの一つです。

ここで大事なのは、だからといって全部を工程表で縛るわけではない、ということです。私がやりたいのは管理ではありません。この「記録して、遡って、直す」という考え方を、そっとなぞる。それだけです。誤解されがちなPMと、私が実際に使っているPMは、正直かなり違います。

よくある誤解計画どおりに進むよう、びっしり管理する
実際に使っているもの崩れたら、記録を辿って原因まで戻る。計画は、ずれる前提で持つ
よくある誤解決めた手順を、外れずにこなさせる
実際に使っているもの手順よりゴールと制約を見て、今どの手が効くか目星をつける
よくある誤解数字と進捗で、上から締めつける
実際に使っているもの課題を本人と一緒に見つけて、そこだけ直す

この地図を手に入れてから、指導で「次にどの手を打つか」の迷いが減りました。以前は手探りで、あれもこれもやらせがちだった。今は、たぶんここが効く、という目星が立つ。やみくもではなく、根拠を持って一手を選べる。感覚でやっていたことが、辿れる形に変わっただけで、打てる手が変わったんです。

だから、ラーニングPM

ここまで来て、名前の話に戻ります。私がやっているのは、子どもの勉強を管理することではありません。学びを、崩れたら戻れる形に設計しておくことです。記録を残し、遡れるようにし、詰まった場所を一緒に見つけて直していく。その営みに一番近い言葉が、私にとってはプロジェクトマネジメントでした。

学習と、PM。この二つが自分のなかで一本に繋がったから、名前を「ラーニングPM」にしました。かっこいい由来を用意したわけではありません。いま自分が本当にやっていることを、いちばん正直に表す言葉が、これだった——ただ、それだけの理由です。

とはいえ、ここまでは考え方の話にすぎません。「記録して、遡って、崩れた場所を見つけて、一緒に直す」——言葉にすれば簡単でも、実際の90分のなかでそれがどう起きているのかは、具体的な一件を見てもらうのが一番早いはずです。それについては、ある生徒とのやりとりを例に、また別の記事で書きます。

この考え方を、実際の指導でどう使っているか。
その”実物”は、別のページで具体的にお見せしています。

Learning PM / 竹内 勇人
診療放射線技師 × PMP × 個別指導歴10年・100名超。「教える人」ではなく、目標まで自走できるよう学びのプロセスを設計・管理します。

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