どこも同じことが
書いてあって、
比べようがない。
塾も、家庭教師も、オンラインも。並べて見てみると、書いてある言葉がほとんど同じです。つまずきを特定します、ゴールから逆算します、お子さんに並走します。
どれも嘘ではないと思います。ただ、この言葉だけでは、何をしてもらえるのかが分かりません。ここでは、何を聞けば中身が見えるかを書きます。私を選んでいただくためではなく、判断していただくためのものです。
先生を探し始めると、最初にぶつかるのがこれだと思います。
この3人が、同じことをしているとは限りません。この言葉には、決まった中身がないからです。
「並走」を、週に1度の面談だと考えている先生もいます。毎日のやり取りだと考えている先生もいます。宿題の進み具合を見ることだと考えている先生もいます。どれも間違いではありません。言葉の定義が決まっていないので、どう解釈しても嘘にならないのです。
「つまずきの特定」も同じです。答えられなかった問題を控えておくことなのか、なぜ答えられなかったかまで遡ることなのか。書いてある言葉は同じでも、中身は相当違います。
ですから、言葉を並べて比べても、判断はできません。比べるなら、その中身を聞くしかありません。
中身を聞く前に、どちらを選ぶかという段階があると思います。ここは好みではなく、仕組みの違いです。
ここで押さえておきたいのは、塾が雑だという話ではないということです。人数が多い分、一人ひとりの経過を追うのは物理的に難しい。それだけです。逆に、集団の中でこそ伸びるお子さんもいます。
どの先生を選ぶにしても、確かめ方は同じだと思います。書いてある言葉に対して、どうやってそれをするのかを聞く。それだけです。
意地の悪い質問ではありません。やっている先生なら、普通に答えられる質問です。工程の順番でも、使っている表でも、独自の手順でも構いません。「根拠はこうで、こう管理しています」と説明が返ってくれば、そこはひとつクリアだと思います。
逆に、答えが「お子さんに合わせて臨機応変に」で終わってしまう場合は、もう一段だけ踏み込んで聞いてみてください。臨機応変にやるにしても、何を見て判断するのかは決まっているはずだからです。
これは契約前には聞けません。何回か授業を受けてから聞く質問です。
そして、いちばん良いのは聞く前に先生のほうから伝わってくることだと思います。特に、ご家庭からは見えていない部分についてです。授業中に何を言っていたか、どこで止まったか、前と比べてどう変わったか。ご家庭は授業の中を見られないので、そこは先生からしか出てきません。
これがいちばん大事だと思っています。
指摘するのは、実はそれほど難しくありません。答案を見れば、どこができていないかは分かります。難しいのは、指摘したあと、それがどうなったかを追い続けることです。
「あのときこう指摘して、こう手を入れて、いまはこうなっています」と経過で説明が返ってくるなら、その先生は追っています。「良くなってきていますよ」で終わってしまう場合は、確認はしているけれど記録には残っていないのかもしれません。
3つ目の質問に答えられない先生がいたとして、それは能力が低いということではありません。物理的に無理だからです。
上手な先生ほど、その場で的確に判断しています。ここが弱い、だからここを補う、と処方を出す。そして次のときに口頭で確認して、大丈夫そうなら次へ進む。判断としては、まったく正しいと思います。
ただ、それを全部覚えていることはできません。1人につき毎回10個以上の項目が出て、それが週ごとに積み上がっていきます。生徒が複数いれば、その掛け算になります。記憶で追える量を、すぐに超えます。
3か月後にそれを取り出せることは、別の能力です。
そして、追えていないと何が起きるか。合わなかったときに、何がずれていたのか分からなくなります。
半年やって伸びなかったとして、原因が説明されなければ「相性が合わなかった」で終わるしかありません。次の先生に引き継ぐこともできません。積み上げたはずのものが、ゼロに戻ります。
問題は、経験則が正しいかどうかではなく、ご家庭からはそれが確かめられないことです。
プロフィールに学歴や合格実績が並んでいることがあります。判断材料として見るのは自然なことですが、扱い方には注意が必要だと思っています。
それは、その先生が持っているものです。先生がその大学に入れたことと、お子さんがそこに入れることは、別の話です。自分ができたことを、そのまま人に移せるとは限りません。
「分かりやすく教えます」も同じです。これは差ではなく、前提だと思っています。分かりにくい授業をする人はそもそも選ばれません。書いてあってもなくても、そこは満たされている前提で探すことになります。
そしてそれを、説明できる形で持っているかどうか。
学歴も、分かりやすさも、あって困るものではありません。ただ、それだけでは選べないというだけの話です。
ここまで聞き方を書いてきましたが、最後にいちばん大事なことを書きます。目的が違えば、良い先生は変わります。
どれが上ということはありません。ご家庭が何を求めているかによって、選ぶべき先生が変わるだけです。
そしてもう一つ。同じ目的でも、お子さんによって最短の道が違います。
説明を聞いて、そのまま実践して、ひねった問題も自分で考えて解ける子がいます。そういうお子さんに、私は説明をしません。確認しかしません。そのほうが速いからです。
一方で、説明を聞いても、どこがどう分かっていないのかを自覚できていないお子さんもいます。同じやり方をしても進みません。この場合は、遠回りに見える工程が要ります。時間はかかりますが、その子にとってはそちらが最短になります。
ですから、方式どうしを比べても答えは出ません。お子さんに対して何が速いかしかない、というのが私の考えです。
ここまで挙げた質問を、私自身がどう答えるかを書いておきます。これで判断していただいて構いません。
授業を録音し、扱った内容を項目ごとに切り分けます。1回で10〜16項目になります。その1項目ごとに、私がどれだけ手を貸したかを5段階で付けます。理解度ではなく、手を貸した量を測っています。理解したかどうかは外から見えませんが、私が何を言ったかは記録に残るからです。
届かなかった項目は、そのまま持ち越します。週の終わりに、まだ言えていないものだけが並んだ状態でお届けします。次の授業の冒頭で、時間を空けてから口頭で確認します。言えたら消え、言えなければ残ります。並走しているのは、この持ち越しのリストです。
できます。いつ扱って、そのとき何段階だったか、いつ再確認して、そこでどうだったか。全部残っています。私の記憶ではなく、記録から答えます。だから3か月前のことでも同じ精度で答えられます。
判断基準そのものをコラムで全文公開しています。どういう根拠でどの段階と判断しているかを読んでいただければ、私の判定が妥当かどうかを、ご家庭の側から確かめられます。間違っていたら直します。
これが優れているという主張ではありません。確かめられる形になっている、というだけです。そのぶん時間がかかっているので、お預かりできる人数も限られています。
他の先生に同じ質問をして、別の答えが返ってきたなら、それはそれで良いと思います。大事なのは、答えが返ってくることのほうです。
無料の面談で、ここに書いた質問をそのままぶつけていただいて構いません。体験授業とレポートまで、費用はかかりません。見ていただいたうえで、合わなければそう言ってください。
