放射線技師の私が「手順どおり」が一番苦手だという話

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放射線技師の私が、
「手順どおり」が一番苦手だという話

得意なことと苦手なこと。自分のことなのに、案外いちばん見えないのはそこだと思うんです。今日はその話から、私がなぜ今の教え方をしているのかまで書いてみます。

Learning PM / 竹内 勇人

「診療放射線技師です」と自己紹介すると、たいてい「じゃあ、悪いところを見つけるのが得意なんですね」と返ってきます。半分は当たっています。ただ、その仕事の核心にある部分——決められた手順から一歩も外れず、誰がやっても同じ結果になるよう正確に再現すること——は、正直に言うと、私が一番苦手とする作業です。

技師の仕事は「逸脱しない」こと

医療の検査は、安全がすべてに優先します。だから手順は厳密で、そこに個人の解釈や工夫が入る余地は基本的にありません。決められたとおりに、正確に、ぶれずに。これはとても大切な仕事です。その正確さそのものを誇りに、まっすぐ向き合える人がたくさんいます。私は、そういう人たちを尊敬しています。

ただ、私自身はそこに強みがある人間ではありませんでした。枠のなかに自分をぴったり収めて、同じことを寸分違わず繰り返す。その働き方に、どうしても最後まで乗り切れない。長いあいだ、それを「自分がダメだからだ」と思っていました。

でも今は、そうは思っていません。「向いていない」は能力の話ではなく、強みの置き場所の話だったんです。
得意なことは、たぶん逆側にあった

では、私は何が得意なのか。しばらく、自分でも分かっていませんでした。はっきりしてきたのは、家庭教師を続けるなかでした。

目の前の一人に対して、その子の「分からなさ」がどこから来ているのかを探る。決まった型に当てはめるのではなく、その子専用の道筋をゼロから組み立てる。制約を見て、ゴールを見て、そのあいだをどう渡らせるかを考える。——気づけば、私が時間を忘れて没頭できるのは、いつもそっち側でした。

正確に再現する

決められた型を、ぶれずに繰り返す

技師の仕事の核心。多くの人が誇りにできる強み。でも、私が没頭できる側ではありませんでした。

その場で設計する

一人ひとりに、道筋をゼロから組む

制約とゴールを見て、柔軟に組み立て直す。私が時間を忘れられるのは、いつもこちらでした。

どちらが上でも下でもなく、置き場所が違うだけ。

資格が、自分を遠くから見る目をくれた

感覚では「こっちが好きだ」と思っていました。でも、それをきちんと言葉にできたのは、PMP(プロジェクトマネジメントの国際資格)やUXデザインを学んでからです。

制約は何か。ゴールはどこか。相手は本当は何を求めているのか。——そういう枠組みを手に入れると、自分の仕事を少し離れた場所から冷静に眺められるようになりました。本業も、家庭教師も、同じ地図の上に並べて見られる。そのとき初めて、「自分の強みはここで、弱みはここだ」とはっきり分かったんです。

面白いのは、これができている人が案外少ないということです。何が得意で、何が苦手か。自分のことなのに、別の角度を一度通さないと、なかなか見えない。ほかでもない私自身が、そうでした。

これが、そのまま私の教え方になっている

ここまで自分の話を続けてきたのには、理由があります。生徒さんに対して私がやっているのは、まさにこれと同じことだからです。

成績が伸び悩んでいる子に足りないのは、多くの場合、説明の量でも、丁寧さでもありません。どこで理解が崩れたのかの特定と、そこから組み直す設計です。だから「もう一度、もっと丁寧に解説する」を厚くするほど、かえって空回りすることがある。崩れているのは今日の単元ではなく、もっと手前かもしれないからです。

崩れた場所まで戻って、その子の強みと弱みを見て、専用の道筋を引き直す。——自分の強みと弱みは、自分ではいちばん見つけにくい。それは私がよく知っています。だからこそ、それを一緒に見つけて、そこから組み立てるところに、私は時間を使いたいと思っています。

私は「教えるのが人よりうまい」とは思っていません。ただ、目の前の一人をよく観て、その子に刺さる形をゼロから設計することは、たぶん得意です。そして、それを続けられている今の働き方は、ずいぶん遠回りしてようやく見つけた、自分の強みの置き場所そのものなんだと思います。

もしお子さんの「どこで崩れているのか」が見えずに困っているなら、
そこを一緒に見つけるところから、始められます。

Learning PM / 竹内 勇人
診療放射線技師 × PMP × 個別指導歴10年・100名超。「教える人」ではなく、目標まで自走できるよう学びのプロセスを設計・管理します。

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